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金融機関を対象とした個人情報保護法の解説②-個人情報の利用目的-
今回の投稿では、個人情報の利用目的との関係での個人情報保護法の金融機関向けの規律について検討する。 【利用目的の特定】 個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(「利用目的」)をできる限り特定しなければならない(本法17条1項)。 「利用目的の特定」の趣旨は、個人情報を取り扱う者が、個人情報がどのような事業の用に供され、どのような目的で利用されるかについて明確な認識を持ち、できるだけ具体的に明確にすることにより、個人情報が取り扱われる範囲を確定すると... -
セミナーなどの告知
やはりというべきか、最近忙しくてブログの方に手が回らないので、告知をいくつかしてお茶を濁そうと思います。 【セミナー「適格機関投資家等特例業務の実務」Q&A【21選】】 今年(2022年)12月22日に、セミナーインフォで「『適格機関投資家等特例業務の実務』Q&A【21選】」と題するセミナーを行います。特例業務の同種セミナーはこれまで何十回もやってきたのですが、もし参加されたことのない方がいらっしゃったら是非。shin b.が実務で使っている「特例業務関連書面ひな形集」を受講特典とし... -
金融機関を対象とした個人情報保護法の解説①-基本概念-
個人情報の保護に関する法律(「個人情報保護法」又は「本法」)は、平成15年5月に成立し、平成17年4月に施行された比較的若い法律であるが、企業がコンプライアンス態勢を整備するにあたって留意が必要となる重要な法律の1つとして位置づけられている。 『金融商品取引業コンプライアンスハンドブック』では、BOX3ー15「個人情報保護法と個人情報管理態勢の整備」において、同法の目的、規制の構造及び個人情報取扱事業者の義務の概要などについて説明しているが、紙幅の都合があり、本法の基本概念や個人情... -
日本証券業協会による三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社に対する処分及び勧告(令和4年10月19日)の検討
日本証券業協会(「日証協」)は、令和4年10月19日に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」)に対して、法令等違反の事実が認められたとして、同協会定款28条1項の規定に基づく処分及び同29条の規定に基づく勧告を行った。『通信』5回目の投稿では、この事案について検討してみよう。 前々回の投稿では金融庁が証券会社を処分した事例について検討しましたが、今回は日証協が証券会社を処分した事例ですね。 そうですね。金融商品取引業者の業務運営にとって... -
「合同会社等の使用人(従業員)による社員権の取得勧誘の適正化を図るための社員権の発行者に関する規定の見直し」(令和4年10月3日施行)の検討
金融庁は、令和4年9月12日に、「『金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)』に対するパブリックコメントの結果等について」を公表した。この定義府令を改正する内閣府令は、合同会社等の使用人(従業員)による社員権の取得勧誘の適正化を図るために、社員権の発行者に関する規定の見直しを行うものであり、同日に公布され、令和4年10月3日から施行されている。『通信』4回目の投稿では、この定義府令の改正について検討してみよう。なお、この改正は、合同会社... -
金融庁「SMBC日興証券株式会社及び株式会社三井住友フィナンシャルグループに対する行政処分等について」(令和4年10月7日)の検討
金融庁は、令和4年10月7日、SMBC日興証券株式会社(「SMBC日興証券」)及び株式会社三井住友フィナンシャルグループ(「三井住友フィナンシャルグループ」)に対して、以下に記載するとおり行政処分を行うとともに、株式会社三井住友銀行(「三井住友銀行」)及び三井住友フィナンシャルグループに対して、報告徴求命令を発出した。『通信』3回目の投稿では、これらの行政処分について検討してみよう。 証券取引等監視委員会は、令和4年9月28日に、SMBC日興証券に対する検査の結果、法令違反が認... -
証券取引等監視委員会「SMBC日興証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」(令和4年9月28日)の検討
証券取引等監視委員会は、SMBC日興証券株式会社(「SMBC日興証券」)に対する検査結果に基づいて、令和4年9月28日に、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、行政処分を行うよう勧告(「本件勧告」)した。『通信』2回目の投稿では、この勧告について検討してみよう。 【本件勧告までの経緯】 本件勧告に至るまでの経緯の概略は以下のとおりである。 令和4年3月4日・SMBC日興証券の役社員が金商法違反(安定操作)の嫌疑で逮捕される ・SMBC日興証券が調査委員会を設置3月23日・証券取引等監視委員... -
『金融商品取引業コンプライアンス通信』のリリースにあたって
本日(令和4年9月29日)、shin b.が執筆した『金融商品取引業コンプライアンスハンドブック』の刊行にあわせて、『金融商品取引業コンプライアンス通信』をリリースすることにした。『通信』の初投稿では、それぞれのツールの目的などについて述べてみようと思う。 【『金融商品取引業コンプライアンスハンドブック』の目的と制約】 『金融商品取引業コンプライアンスハンドブック』の目的 タイトルそのままの説明にはなるが、『金融商品取引業コンプライアンスハンドブック』は、金融商品取引業のコンプライ...
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